長女がまだ低学年の頃です。次女の新体操のレッスンを待っている間長女と近くのマックで食べていました。
隣に真面目そうな父親と高学年くらいの女の子と幼稚園くらいの男の子が座ってきました。食べ始めて男の子が手を伸ばした時父親の熱々のコーヒを倒してしまい父親のスボンに熱々のコーヒーが掛かってしましました。
父親は物凄い勢いで怒鳴りながら男の子の頭を3回ほど叩きました。ドスっと鈍い音がするくらいの強さです。
父親はトイレに行きました。男の子は怖い怖いと泣いてお姉ちゃんに訴えるもののお姉ちゃんは見て見ぬ振りをしています。関わってはいけないと思っている様子。かばうと自分も叩かれると思っているみたいでした。きっとお家でもこんな感じなんだろうなと感じました。
そのひと言も声をかけない冷たいお姉ちゃんにもびっくりでしたし私はどうしたら良いのか悩みました。うちの長女は叩かれているのを見ただけで震えていましたし、下手に私が何か言った事で後でお前のせいで恥をかいたと家で叩かれるのではないかとも思ったのです。
男の子に声をかけようとしたらすぐに父親が戻ってきてしまいました。戻ってきてすぐにまた男の子の頭を強く2回ほど叩きました。さすがに満席のマックで周りにいた人達みんなで睨みつけるように父親を見ていました。チャラい高校生の男の子たちでさえみんなで睨みつけていました。
次に叩いたら店員に言おうか警察に電話しようか、ずっと悩んでいました。父親に声をかけるのはやめよう。長女が怖い思いをするかもしれない。一瞬にしていろんな事が頭の中を駆け巡りました。
「ごめんなさい」と何度も謝っている男の子。すると父親は周りの視線にやっと気が付いたのか急に優しい言葉をかけ始めました。まずいと感じたようです。「よかった！これで終わる」と思ったのですがすぐに怒りが戻ってきたのかまた怒鳴りだしました。
また叩かれてしまうのではないかと思い、長女に大きな声で「かわいそうだね、わざとこぼしたわけじゃないのにね。遊んでたわけでもないのにね。」というのが私にできた精一杯。
多分聞こえていたと思います。みんなの前で叩いたり怒鳴ったりするのがダメだと感じたようで男の子をつかんで引っ張って店の外に出ようとしてました。しかし狭い店内で男の子嫌がるし上手くいかず周りの視線も痛いほど感じたようで諦めて席に戻り食べ始めました。その後次女のお迎えの時間になり店を出ましたが叩かれてはいなかったようでした。
姉であろう高学年くらいの女の子はその間一点を見つめたまま黙々と食べていたのです。異常な光景でした。
家でいつもこうなんだろうなと。かばうと叩かれるんだろうなと思いました。見た目は真面目な普通のお父さんです。チャラい感じでもなく普通のお父さんです。
あなたは何もこぼした事がないのですか？子供が手を伸ばして届く位置にコーヒーを置いておいたのがいけないのではないですか？頭を何度もそんなに強く叩く必要がありますか？子供は何度も謝ってますよ？どうしたら許してあげるのですか？
言いたい事はたくさんありました。遊んでてこぼしたわけじゃなくて何かを取ろうと手を伸ばしただけでした。運悪く父親の太ももにこぼれてしまったのです。そもそも幼稚園児の手の届く位置に熱い飲み物を置くな！あんたじゃなくて子供が危ない。あんたなんか掛かってもいいけどまずは子供に掛からなくてよかったと思え！！
5.6年も前の事だけど今でも鮮明に覚えています。私は何をすれば良かったのか、何ができたのか。ずっと考えていました。今でも同じような事が起きたらどうして良いのか悩むと思います。
どこまでがしつけなのでしょうか。どこまで他人が口出しするべきなのでしょうか。難しい判断です。わたしが余計な事を言ったせいで後で子供がさらに八つ当たりされる可能性もあるのです。今でも思い出すと腹が立ちます。今頃あの家族はどうなったのだろうか。
子供達が幸せに育っているといいな。
